M4(Messier 4)は、さそり座α星(アンタレス)のすぐ西に位置する球状星団だ。 このM4を構成する星は、銀河系で知られているうち最も古い天体で、およそ130億年前からある。 ビッグバンが約138億年前なので、M4の星々は、宇宙の誕生より程ない時期から存在していたことになる
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Picture from Sci-News.com

イギリス・バーミンガム大学の天体物理学者が、この130億年も遡る星団から届いた音をキャッチすることに成功した。 成果はイギリス王立天文学会の月刊誌に発表されると同時に、その『星の声』が公開されている


(音声) 銀河系最古の星の声 ‘Stellar Music’ from Milky Way’s Oldest Stars

それぞれ特徴的な波形をもつ、4つの天体からの音を聴くことが出来る
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Picture from Ria M., SoundCloud

バーミンガム大学のチームは、NASAがケプラーとK2のミッションで取得し公開したデータを解析して、我々の銀河系(天の川)最古の天体であるM4星団内の「星の音響振動」を検出した。 そこでは星震学(Asteroseismology)と呼ばれるテクノロジーが使われており、天体音響振動から星の質量や年齢をも推定することが出来る
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Picture from Mental Floss, ISTOCK

論文の主著者アンドレア・ミグリオ博士は、自分たちの技術によって宇宙初期の星の遺物の一部を聴くことが出来て、とてもエキサイティングだ、とプレスリリースで述べている。 実際、上のボックスから聴くことの出来る、印象深かったり、なんだか耳障りだったり、またはメロウなような美しい音色は、星の中に閉じ込められた音の表現だと言える